アガレスト戦記ZERO レビュー

ノーマル1周目クリア(真ルート含まず)、前作未プレイの段階でレビューします。
ジャンルはシミュレーションRPGですが、一つのマップを攻略するとステーリーデモが入って、次のマップに行くようなシミュレーションが主体のゲームではなく、地図状のマップを歩いて、エンカウントするとシミュレーション風の戦闘シーンになるRPGが主体のゲームになります。

戦闘

かなり難易度が高いです。
味方のキャラ同士の位置関係が重要な役割を持ち、各キャラごとに設定された位置関係を保つことによってキャラ同士がリンクされ、一度の行動でリンクされているキャラ全てが連携して敵に対して攻撃することが出来ます。
まずは、これを使いこなすことが大前提で、使いこなして敵にギリギリで勝利できるようなバランスです。特にボス戦は、全滅してゲームオーバーは当たり前で、どう動けば勝てるか模索しながら何度もチャレンジしていくことになると思います
シミュレーションとしては、得手、不得手の相関関係でじりじりと追い込んでいくような詰め将棋的なものではなく、力と力のぶつかり合いで、自軍と敵軍の行動順を見ながら、どの敵をどのタイミングで殺れば自分たちに有利になるかを常に考えて行動することになります。例えば、わざと敵に先に行動させて、ダメージを食らったり死ぬことによって必殺技のゲージを溜めて、敵の行動が済んでこちらに被害が出ないタイミングで連携の中心になっている敵に対して一気に攻めに転じるなどといった感じです。
さほど、戦略性があるわけではありませんが、明らかに「おかしいだろ、これ…負けイベントだろ」とでも言いたくなるような強さの敵を強引にねじ伏せて得る勝利は格別のものがあり、耐え抜いて勝つ戦闘が好きな人にはたまらないものがあると思います。

グラフィック

綺麗とは言えず、多くはPS2レベルに感じてしまうことだろうと思います。
その中で、アドベンチャーパートで表示されるキャラの立ち絵はAASという特殊な方法で表示されており、見た目は2Dの絵にもかかわらず、ちょっとした頭の揺れや息遣い、キャラクターの会話内容に合わせた表情の変化、まばたきやリップシンクがリアルタイムで滑らかに動くのが目新しく、驚きを感じます。
キャラクターは基本的に2Dビルボード表示の中、大型の敵は3Dで表示されますが、浮いて見えることはなく、全体的な調和は取れていると思います。

サウンド

特筆すべきものではありませんが、戦闘のBGMはエレキギターが入った攻めている感じが出ている良いBGMに思いました。ボイスはテレビアニメに常時出演している声優が声を当てているため、安心して聞けます。

ボリューム

前作からはだいぶ減ったと言われていますが、1周クリアまでに50時間以上は遊べるボリュームはあります。真ルートやトロフィー集めのための周回プレイ、前作のダイジェストなど、やり込み要素が豊富で、それらも含めれば、相当な時間楽しめるゲームではないかと思います。

操作性

さすがに、SRPGを多く制作してきているメーカーだけあって、ストレスなく操作できるようになっています。
特に、練成や武器の装備、ステータスなどの画面が秀逸で、誰が装備できるか、武器を練成するのにどのアイテムが必要か、装備するとどれだけパラメーターが上がるかなど、キャラクターを強化するときに欲しい情報がボタン操作でストレスなく切り替わりすぐに確認できるようになっています。キャラクターの強化に多く時間を使うゲームなので、これは嬉しいです。

アドベンチャーシーン

ちょっとした恋愛要素もあり、会話中の選択肢によって好感度が上下するシステムがあります。この好感度が高いとイベントがより多く発生したり、より多くの(ご褒美?)CGが見れたりします。
シリアス展開以外の、日常会話もふんだんに入っており、キャラ同士の掛け合いもなかなか楽しいものがあります。

総括

やはり、高難易度で、クセのあるSRPGには違いないですが、やりこみ系のRPGが好きな人は楽しめるタイトルだと思うので、グラフィックやブランドイメージ(ファ○通のIFゲームに対する低評価や、巷のIFクォリティーだから云々かんぬん…)で敬遠していた人は目を向けてみてはいかがでしょうか。