トリニティ・ユニバース レビュー

アニメに出てきそうなポップなキャラクターと世界観を前面に出したRPGです。
製作はアイディアファクトリーですが、ガスト、日本一ソフトウェアとのコラボ作品となっており、ガストからは、ヴィオラートとパメラが、日本一からは、エトナ、フロン、プリニーが参加しています。それらに加え、マナケミアジグソーワールドのデザイナーがそれぞれデザインしたレシート、みゆ、それ以外の主要キャラはアイディアファクトリーが新規にデザインしたキャラで構成されています。
最終的にパーティーに加えて操作できるキャラクターは13人になります(一度に戦闘に参加できる人数は4人です)。

キャラクター

ガスト、日本一から参加しているキャラは言わずもがなで良いですが、新規で作成されたキャラクターがとても良いです。デザインや性格付けも印象に残りますし、もともと個性の強いガストや日本一のキャラと掛け合いしても全くキャラ負けしていません。それぞれのキャラが生きており、立ち位置もはっきりしているので、キャラ同士の掛け合いも楽しいです。それぞれのキャラがとても大切にされています。

グラフィック

アドベンチャーパートの立ち絵は、ポップで可愛いキャラのつぼを押さえた人が原画を描いているようで、萌えキャラが好きな人にとってはたまらないものがあります。また、それらの立ち絵は、モーションポートレートという2Dの絵から3Dモデルを生成する技術によって作成されており、アニメチックな外観を損なわず、滑らかなアニメーションを実現しています。これを一回見てしまうと、口パクするだけの立ち絵では物足りなくなってしまいます。
マップ移動中と戦闘中はキャラクターは3Dモデルになりますが、攻撃の斬り動作や必殺技のモーションは自然に格好よく動くので、連続攻撃が決まると気持ちいいです。ただし、魔法使い系のキャラの動作は地味で(ほとんどがその場で手を動かすだけ)、エフェクトもしょぼいため、剣で斬る系のキャラの攻撃に比べて見劣りします。また、肌の質感が不自然で、マネキン人形のように見えてしまうのが残念です。
IMゲージを溜めて出す必殺技のエフェクトやモーションは格好いいと思います。

戦闘

コマンド選択ではなく、ボタンを所定の順番で押していくとそれに対応した技が出るという一風変わった攻撃方法が採用されています(ゼノギアスと同じようなシステムだそうです)。敵と味方のターンがはっきりと分かれており、味方のターンでは、連携してどんどん技を繋げていけるため、一方的に敵をフルボッコにする快感を味わえます。
技は出す順番を工夫すると、いつもよりたくさん出せるようになるため、その組み合わせを考えるのが楽しいです。
一般的なRPGと比較しても戦闘の難易度は低めです(EXモンスターはそれなりに強いですが)。

サウンド

何といっても、霜月はるかさんが歌う主題歌のCOSMOLAGOONが際立っています。この歌は、オープニングムービーのBGMとしてだけではなく、ゲーム中のメインBGMとしても流れます。よく、アニソンを何回も繰り返して聞くと洗脳されると言われますが、まさにその状態になります。洗脳といっても電波ソングではなく、ポップな曲ですが、聞いていて心地よい部類の曲だと思います。
その他のBGMはいつものIFの曲です(金子憲次さんかな?)。SEもいつもの「ピキーン」な感じのSEです。あぁ、IFのゲームだなぁと思います。

やり込み

2周目以降のやり込みが、アイテム合成が出来なくなり、その中でやりくりしてクリアして下さいという方針だったため、このゲームの醍醐味であるアイテム集めの意味を殺してしまい、結果的にやりこみに対するモチベーションを下げてしまったように思います。
パッチ適応後は、早々にシステムの穴が見つかり、楽にどんなアイテムでも入手できる状態になってしまったため、ここで完全にアイテム集めの意義が死んでしまいました。
アガレスト戦記にはあった称号システムや、次周に引き継げるパーティーポイントに相当するものもないので、やはり、やり込み要素は薄いなと感じてしまいます。

総括

キャラゲーとしてみると、とてもよく出来たゲームです。キャラクターがとても大切にされており、アドベンチャーパートの掛け合いを見ているだけで楽しいです。
やり込みRPGとしてみると、戦闘もぬるいですし、このゲームのほぼ主目的であるアイテム集めの意義もコンバートショップの登場で崩れてしまったので、物足りないものがあります。