3Dドットゲームヒーローズ レビュー

ゲーム概要

ドットを立方体に見立てて構成された世界を冒険するアクションRPGです。
ゲーム性は完全に2D見下ろし型のアクションゲームで、ぶっちゃけて言うと、FC、SFC時代のゼルダの伝説そのものと言えます。
プレイヤーキャラクターをエディット出来るのがウリで、実際に作るとなると結構大変ですが、頑張って作成すると、自分の作ったキャラを操作してプレイが可能です。
また、ゲームの随所にレトロゲームのパロディーがふんだんに盛り込まれており、ファミコン世代には楽しめるネタもあるのではないかと思います。

ゲーム性

冒頭で、ゼルダの伝説そのものと書きましたが、実際のゲーム性はゼルダの伝説よりかなり大味です。
というのは、プレイヤーのライフが最大になると、軽く画面の半分以上は届くほど剣が長くなり、適当に剣を振り回しているだけで、敵をザクザク倒せます。
ただし、敵の攻撃を受けてしまうと、またライフが最大に回復するまでは剣が短くなってしまうので、取り戻すまでは若干大変になりますが、大したペナルティーではありません。
ただし、ありえないほど大きな剣になるので、敵を一掃する爽快感はあります。この手のゲームは長くプレイしていると、真面目に敵と戦うのも億劫になるので、思い切った仕様とも言えると思います。
神殿内部では、ボスの部屋にたどり着くために、床にあるスイッチを押したり、石像を移動させたりなど仕掛けを解く要素もあります。ただし、それほど難しいものはなく、魔法を使うことによって答えが提示されるものも多いです。
ボス戦は、攻略パターンを飲み込むと単純なパターンで簡単に倒せるものが多いです。ここら辺もレトロゲーム風に感じます。

グラフィック

3Dのブロックで構成されたレゴブロックのような世界は見た目にも面白いです。ちゃんと光源処理もされ、綺麗に画面を見せていると思います。
キャラクターは全て3Dですが、ドット絵の手法でコマアニメーションします。そのおかげで、レトロゲームのような雰囲気が出ているように感じます。

サウンド

スーパースィープが担当しているようで、BGMはとても良いです。
ファミコンのような音を使ったチップチューンではなく、レトロゲームの曲を現代風の楽曲で編成したような感じだと思います。

操作性

一応、アナログスティックで任意の方向に移動できますが、移動速度はスティックの入力量によらず一定で、デジタル的な動き方をします。
足場が狭い箇所では十字キーで正確に上下左右に動かすといったことも可能です。
少し敵が増えただけで処理落ちが多発するのが気になります。大味なゲームなのでプレイにはそれほど影響はないのですが、見苦しくは感じます。

やり込み

ノーマルモードをクリアした後に、フロムモード、スペランカーモードが用意されているのですが、元のゲーム性が大味なため、プレイ内容にほとんど差が出ないことが残念です。
また、やり込みプレイで挑戦することになるミニゲームですが、その内のブロック崩しはボールの挙動に問題があり、ボールを跳ね返しても上に行かずに下に落ちてしまったり、ものすごく浅い角度で跳ね返って何分間もバーに戻ってこないことがあるなど、欠陥と言って良いと思います。
タワーディフェンスゲームはしっかりと出来ており、それ単体でガッツリ遊べるほど面白いです。
トロフィーをコンプリートするには、欠陥のせいで理不尽なミスが多発するブロック崩しと、十数時間レアアイテムの小さなブロックを手に入れるための単純作業をこなさねばならない覚悟が必要です。

総括

突っ込みどころの多いゲームですが、軽い気持ちで、レトロゲームのプレイ感を味わうには良いゲームだと思います。
ネタゲームをプレイするくらいの気持ちで臨んだ方が良いです。
あと、キャラエディットをしてみたい人向け。自分の作ったキャラが動かせるのは、それだけで楽しさに繋がります。