TMPGEnc Video Mastering Works 5 体験版を試用してみた

TMPGEnc 4.0 XPress の後継にあたる TMPGEnc Video Mastering Works 5 がついに登場しました。
早速、体験版をダウンロードして試用してみました。

使用感

TMPGEnc 4.0 XPressとほとんど変わらないです。
ノーマルモードはレイアウトもほぼ一緒なので、4.0を使用していた人なら、迷うことなく使うことが出来ると思います。

MP4(AVC)形式へのエンコード

x264に対応したことがウリになっているようでしたので、試しにエンコードしてみました。
x264vfwは設定項目が高度で難しいのですが、さすがは使いやすさがウリのTMPGEncといったところで、だいぶ簡略化されています。
設定する箇所は、せいぜい、サイズ、アスペクト比、フレームレート、ビットレートくらいです。

ちょうどCUDAに対応したビデオカードを使っているので、CUDAの設定を有効にしてエンコードしてみました。
エンコードして何より驚いたのが、その速度です。かなり速いと感じました。


TMPGEnc 4または5を使った場合、mp4(AVC), avi(x264vfw)にエンコードした場合とでかかった時間を比較しました。
素材は、「魔法少女まどか☆マギカ」のオープニング映像を使いました。
サイズは1280x720で、約1分30秒の映像です。
どれも1passの設定で出力しています。
マシンスペックは、CPUとビデオカードだけ書くと、
CPU:Intel Core2 Duo E8500 3.16GHz
ビデオカード: GeForce 9600 GT
です。






mp4(AVC)

avi(x264vfw)

TMPGEnc 4.0 XPress

12:35

8:21

TMPGEnc Video Mastering Works 5

4:32

8:44


TMPGEnc 5でmp4(AVC)ファイルを作った場合、かなり速いことが分かりました。
以前は、avi(x264vfw)にエンコードしていたのですが、比べると半分くらいの時間で出力が終りました。
この速さはかなり魅力です。
ちなみに、エンコード中の表示で、CUDAの使用率がずっと0%のままでした。
ヘルプによると、
「CUDA の使用を ON にしていても、ビデオカードがご使用の CPU に比べ十分に高速動作しない場合、CUDA が使用されない場合があります。」
とのことなのですが…


出力されたmp4ファイルを再生して確認したところ、QuickTimeで再生した場合、ところどころコマ落ちのような現象が出たり、
キャプションの部分がチラついていたりして気になったのですが、
MP4 SplitterをインストールしてWindows Media Playerで見たらそれらの現象はなくなりました。
今まで使用していたx264vfwのaviファイルと比べても遜色ないので、これを機にmp4に乗り換えても良いなと思いました。

複数レイヤーによるテロップやトランジション、複数の動画の重ねあわせなど

これです!これこそ自分が求めていた機能です!
他の動画編集ソフトを使えば可能ではあったのですが、結局最終的にはTMPGEncエンコードをかけるので、
これらの機能がTMPGEncに組み込まれれば良いなと思っていました。
機能は必要最低限に絞られている感じですが、それがTMPGEncらしいと言えるところで、直感的に機能を把握しやすくなってます。
また、この手のオーサリング作業をするソフトは大抵動作が重たいものなのですが、
このソフトのタイムライン編集は、動作が軽く作業していてストレスになりません。


これらの機能を使うには、プロジェクトを作る際にタイムラインモードを選びます。
すると、従来の編集画面とは異なるタイムラインの画面になります。
見た目は一般的なビデオ編集ソフトを簡略化したような感じです。

テロップは、文字の大きさ、縁の太さ、色などを変更可能です。
トランジションは、配置した動画同士の末尾と先頭の部分を同じレイヤー上で重ね合わせると実現出来ます。
複数のレイヤーに動画を配置すると、複数の動画を並べたり重ねあわせることが出来ます。
また、それらはタイムライン上にキーフレームを置くことにより、スクロールさせたり、拡大縮小したりすることが可能です。
個人的には、動画を編集していて、使いたいと思う主要な機能はおさえてあるように感じます。
これを利用すれば、気軽にテロップで説明を入れたり、比較動画を作ることが出来そうです。

これは買いかな!

値段は9800円となっており、ダウンロード版は今までと同じ据え置き価格です。
アップグレード版は5800円です(アップグレードをすると、4.0のライセンスは抹消されるそうです)。
試用してみたところ、4.0の機能を完全に包含しているようでしたので、5にアップグレードして良い気がして参りました。
この価格なら十分納得です。
なにより、4.0の使いやすさを踏襲して、欲しかった機能をバッチリ実装してくれたことに好感が持てます。