ユーディーのアトリエ レビュー

アトリエシリーズではPS2初のタイトルになります。
このシリーズの要である調合は「グラムナート式」と呼ばれるシステムで、単に素材を合成するだけではなく、素材の品質や従属効果によって出来上がったアイテムの効果が変わってきます(回復量や、攻撃力が変わったり、中には全く異なる効果になるものもある)。
また、時間の経過と共にアイテムの品質が劣化していくのが特徴です。
より良い従属効果を付けて良いアイテムを生成していくのがグラムナート式の醍醐味です。
PS3ロロナのアトリエもこのグラムナート式を採用しています。
また、アトリエシリーズではつきもののクリアまでの時間制限が存在しないのも特徴です。

ヴィオラートのアトリエロロナのアトリエを先にプレイした観点から

ヴィオラートのアトリエは自分のお店を繁盛させ、来村者数増やして村おこしをすること、ロロナのアトリエは国から提示された品物を調合して納品し、アトリエの存続を守ることが目的であり、言わば、誰かのために調合を行いますが、このユーディーのアトリエでは、未来に飛ばされてしまった自分が過去の世界に帰るために調査を進めるのが主目的であり、調合は、未来の世界で生活していくため、モンスターのいるダンジョンで探索するために調合します。言わば、自分のために調合します。
したがって、ヴィオラート、ロロナに関して特にヴィオラートのアトリエは経営シミュレーション的な要素が目立ちますが、これらに比べてユーディーのアトリエRPG色が濃いです。
顕著なのが敵の強さで、ユーディーに出てくる敵はヴィオ、ロロナより圧倒的に強いです。敵にやられないようにするために調合する必要にかられることもあり、後半では状態異常がたくさんついてほとんどの敵を無効化出来てしまうヴィオ、ほとんどの敵を一撃で倒せてしまうロロナから比べると歯ごたえがあります。基本はドラクエの敵くらいには強く、中には一撃で全員瀕死状態にしてくる危険な敵もいるといった感じです。
これらを乗り越えるために良い効果の付いた武具、回復アイテム、攻撃アイテムを調合するのが楽しいです。
また、クリア後にラスボスさえも一撃で倒してしまうほどとてつもなく強い攻撃アイテムを調合するような楽しみもあります。
調合のシステムは同じでも、プレイ感はヴィオ、ロロナとは異なるので、これらを先にプレイしていた人でも特にRPGが好きな人なら新鮮な気持ちでプレイ出来ることと思います。

キャラクター

さすがに、ヴィオやロロナのキャラに比べると弱い感じがしますが、ユーディーの存在感は圧倒的です。
妖精さんと中の人が一緒なので、聴き比べてみると面白いです。
また、ラステルとユーディーの女の友情もグッと来るものがあるかもしれません(?)

グラフィック

ヴィオと同じです。以上!
とだけ言うと、さすがにあんまりですね。
よく見ると、町の人の細かい動きや仕草が丁寧に描かれており(例えばお店の人が棚を整理していたり)、町の人がほとんど空気だったロロナに比べて存在感があり、街の賑わいも表現出来ている気がします。
ランダムで人の数や種類が変わったりするのも地味に凄いです。
立ち絵は表情によって統一感がないのが気になりますが、一枚絵はどれも綺麗です。

サウンド

凄いの一言です。
ヴィオラートのアトリエと同等のクォリティーです。
ヴィオラートのアトリエ同様、民族音楽風の曲がベースになっています。
戦闘、街の曲はユーディーの方が良く、ダンジョンの曲はヴィオラートの方が良く感じます。
町の人も含めてほぼ完全にフルボイスなのも凄いです。

総括

RPGとして、ダンジョン探索を生き残っていくための調合の楽しさがあるので、ヴィオラートやロロナでアイテムを調合しても戦闘で効果が実感出きなくて残念に感じた人には新たな発見があると思います。
また、クリアまでの時間制限がないので、調合品を思う存分いじり倒すことが出来ます。
自分のペースで自由に遊べるアトリエです。

おすすめの攻略本

エンターブレインの攻略本をおすすめします。
…といっても、現状では、これしか選択肢がないと思いますが。
詳細なデータが隅々まで網羅された本で、仕様レベルまで下って細かく情報が載っています。
初見では情報量に圧倒されて、目眩さえ覚える感じなのですが、わりと真面目に調合を行う必要があるユーディーのアトリエでは頼りになる本で、必要な情報は必ず見つかります。
ある効果を引き出すためには、どの程度の品質の素材が必要かはもちろん、素材の入手場所、敵の出現場所がマップと関連付けられて掲載されており、出現率まで書いてあります。
また、イベントのおこし方も全イベントに通し番号を振って完璧に載っています。それも曖昧な書き方ではなく、まるで仕様書みたいなはっきりした書き方で載っています。
とても使える本で、自分は常に傍らに置いてプレイしていました。
手っ取り早くクリアまでの大まかな流れだけを知りたい人も、エンディングまでの道のりをわかりやすくまとめた攻略記事が別途載っているので安心です(まずは260ページに目を通しましょう)。

ユーディーのアトリエ‐グラムナートの錬金術士‐公式パーフェクトガイド
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