NUGA-CEL!

1周目クリア、ノーマルエンディングの段階でレビューします。
キャラデザインを初音ミクのKEI氏、シナリオをToLOVEる長谷見沙貴氏が担当していることが売りの国取りRPGです。舞台は東京都23区で、ゲーム開始時に自軍はミナト区を領土として持っており、他の区を全て制圧することが、このゲームの目的です。

国取り要素について

このゲームの中心となる要素ですが、難易度は緩めで、服をちゃんと作成して普通に進めていれば、難なく占領することが出来ます。
一般的な国取りゲームでは、敵対関係にある隣接した領地からは敵がどんどん攻めてきますが、このゲームでは、こちらから攻め込まない限りは、向こうから攻めてくることが一切ありません。なので、心配なら、攻める前にセーブしておき、実際戦ってみて制圧が無理そうなら、改めて十分に内政を行い、再び攻めるといったことを余裕を持って行うことが出来ます。
シミュレーション慣れしている人には物足りなく感じると思いますが、慣れていない人でも楽しみながら進めていける難易度になっていると思います。
区によってはダンジョンが存在し、最深部まで進むと武器を拾うことが出来る場合があります。武器を守っている中ボスクラスの敵が少々手ごわく、ある程度服を強化しないと勝てません。物足りない人はダンジョンの攻略も視野に入れることが出来ます(武器は取らなくても十分にクリアは可能です)。

服システム

戦闘をこなしてレベルアップしてもHPが伸びるだけで攻撃力や防御力は強化されないので、それらを強化するために服を合成して作成することが重要となります。
合成も複雑ではなく、店で売っているベースとなる服(鎧、浴衣、セーラー服、スク水など)を購入し、それに対して、攻撃力、防御力を上げるための素材を合成し、強化していくだけです。ストーリーが進行すると、服をグレードアップさせるための素材も登場します(例:素鎧→盾付き鎧など)。
また、服を変えるとイベントシーンの立ち絵の着ている服もちゃんと変化します。なので、戦闘では使えない服でも、イベントの絵を見るために作成するという楽しみもあります。

戦闘

独特なのが服にまつわるシステムで、服にも耐久値が設定されており、ダメージを受けて服が破れると次のターンが終了するまで行動不能となる他、攻撃力、防御力共に大幅にダウンしてしまいます。服が破れる≒死と言っても過言ではありません。
服の耐久力も低めで、数回ダメージを食らっただけですぐに破けてしまいます。そのため、代えの服を常に持っておくことが必要となります。服は破けてしまっても、戦闘が終了し、内政モードに移れば、店で修復することが可能です。
このシステムは、戦闘に緊張感を持たせるために一役買っていると思いますが、煩わしいという意見もあると思います。

グラフィック

パワパフガールズのような簡略化されたイラストチックな背景の上に、初音ミクが乗っている感じです。キャラデザインは好みの問題だと思いますが、着ている服によって、イベントの立ち絵が変わるのはGoodです。

サウンド

アガレスト戦記と同じ人が担当しているようで、安定していると思います。中にはアガレスト戦記ZEROにそっくりな曲もあります。

ボリューム

あっさりクリアできてしまい、少なめに感じました。
クリアだけを考えて効率よくプレイすれば、1〜2日でクリアすることも可能なボリュームだと思います。
2周目では、服強化のリミッターが外され、どこまでも強化できるので、無双状態を味わうことも出来ると思います。

操作性

大半は大丈夫ですが、細かい不満点として、アイテム合成画面から店の画面に切り替わるときにクロスフェードしながら切り替わるのでちょっともたついて感じるのが気になりました。合成と素材の購入をかなりの回数繰り返すので、この間の行き来がスムーズに出来ると良かったです。いっそのこと、画面を切り替えずとも即、足りない素材アイテムを購入できる仕組みになっていれば良かったかもしれません。

総括

キャラゲームとして売っていますが、シミュレーションやRPGの土台をしっかり持っているアイディアファクトリーが作っているので、緩めの難易度ながらも、国取りRPGとしても楽しめる作りになっています。
ボリュームが少ないのが難点でしょうか。
限定版に付いているミニライトノベルは面白い試みだと思いました。